パパが1年育休を取ったら、人生が変わった話

この記事では、「男性が1年間の育休を取ると、実際どうなるのか?」をテーマに、私自身のリアルな体験をお話しします。
育休中の生活や気持ちの変化、仕事との向き合い方、収入や制度のことまで、これから育休を考えている方にとって参考になるような内容をまとめました。
これから育休を取ろうか迷っている方、育児とキャリアの両立に悩んでいる方のヒントになれば嬉しいです。
ぜひ最後まで読んでみてください!
育休取得のきっかけは、代表の一言から
私が育休を取ることになった最大のきっかけ。 それは、会社の代表からの一言でした。

というか、育休取らなくて平気なんですか?
転職したばかり(入社2か月)、スタートアップでフルリモート勤務。正直、育休を取るなんて想定すらしていませんでした。
「育休?いやいや…」と戸惑ったのを、今でもはっきり覚えています。
でもこの言葉がなかったら、きっとそのまま仕事を続けていたと思います。

当時の私の葛藤や迷いは、以下の記事に詳しくまとめています!

実際、めちゃくちゃ悩みました。
- スタートアップで休んでる場合じゃないのでは?
- 転職直後で、キャリア的にどうなんだろう?
- フルリモートだし、家にいればある程度手伝えるのでは?
- それよりお金の不安が大きい…
でも、同時にこんな気持ちもありました。
「もっと娘と一緒に過ごしたい」
「妻にワンオペさせたくない」
そんな中で、ふと自分に問いかけてみたんです。
──自分が死ぬとき、どっちを後悔するだろう?
「育休を取ればよかった」か、
「育休を取らなければよかった」か。
答えは、すぐに出ました。
2ヶ月でやり切って復帰する予定だった
最初の育休期間は、きっちり2ヶ月の予定でした。

新生児期が一番大変って聞くし、2ヶ月もあれば一通りの育児はこなせる。
妻の負担もある程度は軽くできるはず
そんなふうに思っていました。
当時の感覚としては、「最低限のサポートができればOK。自分は働いて稼ぐことが何より大事」。 長期で育休を取るなんて、まったく想定していませんでした。
ところが、いざ育休終了のタイミングで会社に「復帰します」と連絡したところ、返ってきたのはこんな温かいメッセージでした。

復帰しても子育て平気そうですか?奥さんもお元気?
無理せず、ご自身とご家族のことだけを考えてください。
それが育休だと思うので。
もちろん働くのも自由ですからね!
この言葉に、思わず胸が熱くなりました。その優しさに救われて、妻ともう一度しっかり話し合いました。
結果、まずは4ヶ月延長することに。さらにその後、半年延長。(!?)
結果的に、トータルで1年間の育休となりました。

…じつは2回、延長しているんです。
その経緯や迷いについては、以下の記事で詳しく書いていますので、ぜひご覧ください!


スタートアップで育休って取れるの?答えは…
まず大前提として、労働者が育休を取得する権利は法律で保障されています。
つまり、事業主が「育休を取るな」と言うことは法律上できません。
ただし、“制度があること”と“実際に使えるかどうか”は別問題。
特にスタートアップでは、制度や前例が整っていないことも多く、申請手順すら曖昧な場合もあります。
実際、私も制度の仕組みや手続き、給与の扱いについて、すべて自分で調べながら進めました。
幸い、転職直後で業務の引き継ぎがシンプルだったこともあり、スムーズに休みに入ることができました。
育休取得でなにより大きかったのは、「代表の理解ある姿勢」でした。
スタートアップでは、育休を取れるかどうかは「制度」より「代表の考え方」に大きく左右されるのが実情です。
制度が整っていなくても、トップのひと言で空気が変わる。
それを実感しました。
育休前期(0〜2ヶ月)|“育児のペース”をつかむまで
育休の最初の2ヶ月。世間では“地獄”とか“カオス”と言われる時期ですが、私たち夫婦の場合は少し違いました。
もちろん大変なことばかり。新生児のリズム、夜間の授乳、まとまって眠れない毎日…。
でも、「2人いたから」意外と乗り切れた。
ざっくり「昼は私」「夜は妻」と役割分担をしながら、少しずつ育児のペースを掴んでいきました。
すべてが初めてで予測不能。命に関わることもある緊張感の中、ワンオペでこなしている方には本当に頭が下がります。

私自身は、正直考えるだけでも不安でした…
でも2人だったからこそ、お互いに支え合えて、笑い合えて、この時期の育児も「楽しい思い出」になりました。
パパさん、どんなに難しくても、最初の1ヶ月だけでも育休を取ってみてください。
“地獄”と呼ばれる日々が、“家族にとって一生の思い出”に変わるかもしれません。

この頃の様子は以下の記事にまとめています!


育休中期(3〜6ヶ月)|“自分の時間”が少しずつ戻ってきた
3ヶ月目を過ぎた頃から、子どもの生活リズムが少しずつ整いはじめました。
昼寝の時間が安定してきたことで、30分〜1時間だけでも自分の時間が取れるように。
読書をしたり、投資の勉強をしたり、日常に少しずつ“自分らしさ”が戻ってきた感覚です。
少しずつ「育児以外のこと」に意識が向けられるようになった時期でした。
また、家族3人での外出も増え、赤ちゃん連れのお出かけが日常に組み込まれていきました。
ようやく、ただ慌ただしいだけの毎日から、「家族で過ごす時間を楽しめる」感覚が生まれてきた時期だったと思います。

この頃の様子は以下の記事にまとめています!




育休後期(6〜12ヶ月)|“育児のある生活”が“当たり前”になった
この時期になると、育児は「特別なイベント」ではなく、日常の一部になっていました。
泣いても驚かず、おむつ替えも自然な動作に。自分の中に“育児モード”がしっかり根づいてきた感覚がありました。
一方で、自分の時間も安定して確保できるようになり、読書や投資の実践など「自分の成長のための時間」もバランスよく持てるように。
この頃には、「育児と自己実現は共存できる」という実感が得られていました。

この頃の様子は以下の記事にまとめています!






お金の話|思った以上に生活できるというリアル
育児休業中は「育児休業給付金」が支給されます。
実質「手取りの7〜8割」程度が支給されるため、わが家では生活に困ることは一切ありませんでした。
また、この時期に、ライフプランを見据えて生活費の見直しも行いました。
わが家は財布を別にしており、生活費は完全折半。家計簿アプリやスプレッドシートで収支を“見える化”しながら、
- サブスクや保険の整理
- NISAやiDeCoなどの控除制度の活用
- 無駄な投資の見直し
などを行いました。
「育休=お金に困る」というイメージがありましたが、実際はむしろ“お金と向き合ういい機会”でした。
夫婦でお金の話がしっかりできる時間になり、「これからの暮らし方」を考える貴重なタイミングだったと思います。
育休制度ってどうなってるの?実体験をもとに解説
「育休制度って、よくわからない…」という方のために、実際に使ってみた立場からざっくりまとめます。
- 子どもが1歳になるまで育休を取得できる(条件により最長2歳まで))
- 給付金は会社ではなく雇用保険から支給される
- 最初の6ヶ月:給与の67%
- それ以降:給与の50%
- 社会保険料も免除されるため、実質の手取りは7〜8割の人が多い
- 給付は2ヶ月ごと、初回は遅れる場合もある
- 手続きは基本的に会社が代行してくれるが、早めに申請意向を伝えるのが吉
- 開始日の1ヶ月前までに申請するのが原則(勤務先で確認を)
※上記は2024年2月時点の情報です。
正直、厚労省の特設サイトを見てもよく分かりませんでした(笑)
でも実際に使ってみて思ったのは、
「これ、使わないと損だな」ということ。
長い人生のたった1年。しかも、人生で一番幸せな1年になるかもしれない。
取れるなら、迷わず取ってみてください。

育休明け、まさかの早期退職。でも後悔はゼロ
1年の育休を終えて復帰。よし、ここからもう一度がんばるぞ!…と思っていた矢先、会社が資金ショートに。
組織の継続が難しくなり、早期退職を選ぶことになりました。
まさかの展開でしたが、不思議と後悔はありませんでした。
むしろ、「育休を取ってよかった」という気持ちはさらに強くなっていたほどです。
育児を通じて、家族としっかり向き合い、自分の価値観や生き方を見つめ直せた。
この1年があったからこそ、今の自分があります。

退職の経緯は以下の記事に詳しく書いています!

育休は“人生の選択肢”を広げる時間だった
正直、育休って「家族とキャリアのトレードオフ」だと思っていました。家族を優先するために、キャリアを一時的に止めるものだと。
でも実際に取ってみて分かったのは、育休は“育児に全力で向き合う時間”であると同時に、
- 家族と向き合う時間
- 自分の働き方を見直す時間
- これからの人生を考える時間
でもあるということです。
この時間がなければ、今も「働くことが目的」の毎日を送っていたかもしれません。
育休は、“人生をチューニングする時間”。
もし今、育休を取ろうか迷っているなら、こう伝えたい。
「取ってから考えても遅くない。取らなかった後悔のほうが、きっと深い」
最後に|パパが1年育休を取ったら、人生が変わった
以上が、私が1年間育休を取ったリアルな記録です。
1年間育休を取ったら、本当に人生が変わりました。
これまで「会社に属して働くこと」を中心に生きてきた私が、育休を通して価値観を大きく見直すきっかけになった。
この記事を書いている今、私は無職です。次にどんな道を歩むのかも、まだ決まっていません。
収入の目処も立っていない。正直、不安もあります。
それでも、育休を取ったことを後悔したことは一度もありません。
そして思うのは、
「こんな私でも、なんとかなっている」ということです。
きっと、あなたも大丈夫。なんとかなります。
せっかくの人生。自分が“楽しい”と思える道を、ぜひ選んでみてください。