生後2か月で完ミに切り替えた理由とその後|パパ目線のリアル記録

「赤ちゃんには母乳がいちばん」——そんな言葉を、妻の妊娠中から何度も目にしてきました。
育児雑誌や病院のパンフレット、さらにはミルク缶のラベルにまで「母乳が推奨されています」と書かれていて、どこか“ミルク=妥協”という空気を感じていました。
でも調べてみると、その主張に科学的な根拠があるとは限らず、思い込みや古い価値観によるものも少なくないと感じました。
この記事では、生後2か月で完ミ(完全ミルク育児)に切り替えたパパ目線の体験をまとめています。同じように悩むママ・パパの参考になればうれしいです。
わが家の授乳方針と完ミへの決断
母乳の出が安定しなかったこともあり、わが家は最初から混合育児を想定していました。
ただ、「やっぱり母乳のほうがいいよね」という世間の空気もあり、妻はできる範囲で母乳をがんばっていました。初めての育児で、何もかもが不安だった時期です。
そんなある日、妻が「授乳のときにムカムカする…」とポツリ。そこで初めて、D‑MER(ディーマー)という症状の存在を知りました。
D‑MERとは、授乳や搾乳のタイミングで気持ちが急に落ち込んだり、イライラしたりする不調のこと。ホルモンの変化が原因とされ、本人の意思ではコントロールが難しいものです。
この出来事をきっかけに、「完全ミルクへの切り替え」を真剣に検討することになりました。
完ミに踏み切った理由と当時の気持ち
「もう完ミにしようか」——そう話し合ったのは、妻がひとりで大変な思いをしていたことに気づいたからでした。
こうした状況を整理したとき、わが家にとっては「完ミの方が家族全体にとってよい選択」という結論に至りました。
もちろん、「免疫は大丈夫?」「将来に影響はない?」といった不安はありました。
ネット上には不安を煽る情報も多かったですが、調べてみると多くは根拠が曖昧だったり、極端な例だったり。
最終的には、「笑顔で育児を続けられること」を最優先にして、完ミに切り替える決断をしました。

授乳のたびにイライラ、30分搾っても20mlしか出ない。
タイパ悪すぎ…と感じで即断乳しました!

イライラしながら搾った母乳より、笑顔で作るミルクの方がきっとおいしい!

データで見る完ミ育児|生後2か月の1週間記録
「完ミでもちゃんと育つの?」——そんな不安を抱えている方に向けて、わが家のリアルな記録をご紹介します。
以下は、完ミに切り替えた直後(2024/3/17〜3/23)に《ぴよログ》で記録していた授乳と排泄のデータです。
日付 | 授乳回数 | ミルク総量 | 1回平均 | おしっこ回数 | うんち回数 |
---|---|---|---|---|---|
3/17 | 7回 | 870 ml | 124 ml | 7回 | 2回 |
3/18 | 9回 | 1,010 ml | 112 ml | 7回 | 1回 |
3/19 | 7回 | 740 ml | 106 ml | 9回 | 0回 |
3/20 | 7回 | 850 ml | 121 ml | 7回 | 1回 |
3/21 | 7回 | 850 ml | 121 ml | 10回 | 2回 |
3/22 | 7回 | 800 ml | 114 ml | 8回 | 2回 |
3/23 | 6回 | 730 ml | 122 ml | 4回 | 2回 |



- 授乳は1日6〜9回、約3時間おき。夜は最長で5時間続けて眠る日もあり、親の睡眠も確保できた
- 1回あたり100〜150ml、総量は1日750〜1,000mlで月齢目安の範囲内
- おしっこは1日7〜10回、うんちは0〜2回。便秘や硬さの問題は見られず、排泄も安定
この記録を振り返っても、「完ミでもちゃんと育っている」とあらためて実感できます。
完ミを選んだことに後悔はまったくありません。同じように悩んでいる方にとって、少しでも参考になればうれしいです。
完ミ育児のメリット・デメリット|実体験から
完ミに切り替えてみて、「よかった!」と感じることもあれば、「これは大変だな…」と感じることももちろんありました。
ここでは、わが家の実体験をもとに、リアルなメリット・デメリットをまとめてみます。
完ミ育児のメリット
- パパも授乳できる
- 育児参加がスムーズになり、自然と協力体制ができる
- 飲んだ量がわかる
- 栄養管理がしやすく、安心して見守れる
- ママの負担が減る
- 体力と気持ちに余裕が生まれ、家族の雰囲気が明るくなる
- 腹持ちが良い
- 授乳間隔が安定し、夜の睡眠時間が確保できる
完ミ育児のデメリット
- ミルク代がかかる(約8,000円/月)
- 家計に一定の負担はある
- 荷物が増える(哺乳瓶・調乳グッズなど)
- 外出時の準備に時間がかかる
- 調乳・洗浄の手間
- 特に夜中の対応は地味にキツい
- 完ミへの不安や迷い
- 「これでいいのかな」と思うこともあり、周囲の声が気になることも

よくある疑問に本音で答えます
ネットには完ミに対して不安を煽る情報がたくさんあります。ここでは、実際にわが家で完ミを実践してみて感じたことを、本音でお答えします。
- 母乳じゃなくて後悔してない?
- しっかり眠れて夫婦のメンタルも安定。赤ちゃんも順調に育っているので後悔はまったくありません。
- 母乳の抗体がないと、病気に弱くならない?
- 初乳で主要な抗体は得られているとされており、実際に1歳を過ぎても大きな病気なく過ごせています。
- アレルギーや肥満になりやすいって本当?
- 食生活や生活習慣の影響の方が大きい印象です。完ミだからといって特に不安を感じたことはありません。
- 発達やIQに差が出るって聞いたけど?
- 発語や運動の発達も順調で、成長曲線も平均ど真ん中。今のところ何も問題を感じていません。
- ミルクは便秘やお腹のガスが多い?
- 一時期便が少なくなったこともありましたが、銘柄の見直しやうんち体操をやってすぐ改善。問題ありませんでした。
- ママの体や親子の絆に影響しない?
- 授乳以外のスキンシップや声かけで十分に絆は深まると実感。むしろ家族みんなで関われるようになりました。
- お金・手間・エコ面でデメリット多い?
- 確かに洗い物やコストは増えましたが、家族の笑顔と心のゆとりには替えられないと感じています。
- 罪悪感はなかった?
- まったくありません。家族が笑顔で過ごせることが一番大事。「これでよかった」と納得しています。

わが家なりの“正解”
完ミに切り替えたことは、わが家にとって間違いなく「よい選択」だったと思っています。親の愛情は授乳方法で決まるものではないし、努力や思いやりは別の形でも十分に伝わります。
何よりも、“家族みんなが笑顔でいられること”が一番大切。
育児は思い通りにいかないことの連続。だからこそ、無理をせず、家族みんなが笑顔でいられる“わが家に合ったやり方”を選べたことに、大きな意味があると感じています。
育児に「これが正解」と言い切れる方法はありません。
完ミを選ぶことは、決して妥協ではなく、家族が笑顔で過ごすための前向きな選択肢のひとつです。
どんな育児スタイルであっても、大切なのは「わが家にとってのベスト」を見つけること。
この記事が、同じように悩む誰かの背中をそっと押せたらうれしいです。
