妊娠中に転職したら、無職になったパパの話。それでも後悔していない理由

妻の妊娠がわかったとき、まず浮かんだのは「もっと稼がなきゃ」というプレッシャーでした。一方その頃から、会社に対しても少しずつ違和感を覚えるようになっていたんです。
「このまま、ここで働き続けてもいいのか?」
「でも、いま辞めるなんて無責任じゃないか?」
そんな自問自答が頭の中をぐるぐる回る日々でした。
この記事では、そんな中で私がどんな決断をし、どんな行動を取り、どうやって“妊娠中の転職”という選択肢を乗り越えたのかをお話しします。

キャリアにモヤモヤしているパパにこそ、読んでほしい話です!
今、転職なんてしていいわけがない
当時勤めていたのは、急成長中のベンチャー企業。
- 週3リモートOK
- 基本定時上がり
- 子育てにも理解があり、育休も取りやすい
- マネージャー職を任され、不満といえば特にない
誰が見てもホワイトな環境。でも、心のどこかで「このままでいいのか?」という気持ちがありました。
周囲は子育て世代が多く、チーム全体が「プライベート優先」の雰囲気。働き方としては非常に健全でしたが、当時の私は「もっと挑戦したい」「やりがいを感じたい」という気持ちが強く、どうしても物足りなさを感じていたのです。

キャリアにとって重要な30代をこのままのんびり過ごしていていいんだろうか…
そんな焦りと不安が、日に日に膨らんでいきました。
とはいえ、自分の状況を踏まえると、転職に踏み出すのは現実的ではない。
- 転職してまだ1年半
- しかも3社目の職歴
- そして、出産目前というタイミング
今辞めるのは、さすがに軽率過ぎる。そんな不安が頭を離れず、ずっとブレーキを踏み続けていたんです。
子どもを理由に、諦めたくなかった

子どもが生まれたら、自分のことだけを優先して転職なんて、きっとできない。育児中心の生活になるのは当然だし、リスクを取るのも難しくなる。
でも、だからこそ「このままでいいのか?」という思いは、日ごとに大きくなっていきました。
今の職場は、子育てをするうえでは本当に恵まれている環境。働きやすさ、制度、理解ある同僚たち——これ以上はなかなか望めないほど整っています。
でも、心の奥ではずっとモヤモヤしていました。
「もっとやりたいことがある」
「今ならまだチャレンジできる」
そんな気持ちが静かに、でも確実に膨らんでいました。
30代前半。もし失敗しても、まだいくらでもやり直せる。人生はこれから。子どもが生まれるからといって、自分の人生をあきらめる必要はない。
モヤモヤを抱えながら働き続けるくらいなら、一度きりの人生、やりたいことをやった方がいいんじゃないか——。
そんな考えが頭から離れなくなりました。
妻への相談


今の職場、子育てにはすごく理解あるし、待遇も恵まれてる。けど、このままじゃずっとモヤモヤが続きそうで…
最初の反応は、正直微妙。

うーん…
さすがに転職して1年半でまた辞めるのは早すぎるかも?

とりあえず育休取って、それから考えるのもアリだと思うよ?
…ごもっとも。
でも、何度も話し合ううちに、少しずつ妻の反応も変わっていきました。
「あなたがストレスで倒れるのが一番コワい」
悩んでいる姿をずっと見ていたからこそ、最終的には折れてくれたんだと思います。
迷いながらも、“次の道”を模索した日々
転職活動は、悩みながらもすぐに始めました。 気になる会社をリサーチしては、カジュアル面談を繰り返す日々。
ただ、なかなか「ここだ」と思える会社には出会えず、時間だけが過ぎていく。気持ちはどんどん焦っていきました。
でも、転職活動は焦るとうまくいかない。過去の経験から、無理に決めようとすると良い選択にならないことはわかっていたので、気持ちを落ち着かせるために別の選択肢を取りました。
「最悪、いつでも辞められるように」。その安心感を得るために、小さな副業から始めてみることにしたんです。
前職のつながりでライティング案件を受託したり、業務委託の仕事を少しずつ請け負ったり。夜や週末に対応しながら、会社に頼らない収入の流れをつくっていきました。
焦らず、でも止まらず。そんなペースで、次の道を少しずつ探していきました。
そして、出産直前に決まった“新しい道”

模索を続けていたあるとき、ふと転機が訪れます。
業務委託で関わっていた企業から声をかけてもらいました。「うちで働かない?」
フルリモートとフレックスタイム。育児に理解ある文化、そして裁量の大きさ。 条件は理想に近いものでした。
ただ、タイミングは出産直前。
「本当にいま転職して大丈夫?」
「これだけ子育てしやすい今の環境を手放していいのか?」
そんな迷いは最後までありました。
妻にも毎日のように相談していて、悩んでいる姿もずっと見てくれていました。
最初は「育休を取ってからでもいいんじゃない?」と慎重な様子でしたが、最終的には

「まあ、何とかなるでしょ!」
その一言が、最後の背中を押してくれ、私は転職を決断することに。
結局転職したのは、出産の約2か月前というギリギリのタイミング。
妻は文句ひとつ言わず、私の決断を受け入れてくれました。 内心、不安もあったと思います。それでも信じてくれたこと、支えてくれたことに、心から感謝しています。
妊娠中の転職は、正直しんどかった。でも——
不安、迷い、葛藤。 妊娠中の転職には、想像以上のエネルギーが必要でした。
「これで失敗したらどうする?」
「周囲からは無責任に見えるかもしれない」
「育児と両立できるのか」
という不安も、もちろんありました。
それでも、自分に正直になって動いたことは、本当に良かったと思っています。
……正直に言うと、転職してからも紆余曲折があり、このブログを書いている今は無職です(無職までの経緯は以下の記事にまとめてあります)

「そこまで悩んで転職したのに無職なの?」と思われるかもしれません。 でも、後悔はまったくありません。
なぜなら、やりたいと思えた道を、自分の意思で選んだから。 納得できる選択だったと、今でも胸を張って言えます。

さすがに強がりでしょ。
って思われそうですが、本気で後悔はないです!…焦りはありますが。笑
もし、これを読んでいるあなたが「今動くのはタイミングが悪すぎる」と迷っているなら。
それでも「このままじゃ絶対後悔する」と感じているなら、一歩踏み出してみてほしい。
大丈夫、意外となんとかなりますから。
